オルゴールの収蔵品
オルゴールとは、シリンダー(金属の筒)や金属ディスク、紙のシートなどを楽譜代わりにし、櫛歯(櫛状の金属板)の歯を弾くことによって演奏を行う自動演奏楽器のこと(当館ではオルゴールと他の自動演奏楽器を分けてご紹介しています)。
オルゴールの語源
実はオルゴールとは和製外来語で、英語ではmusic box。江戸時代初期に自動オルガンをオランダ語「オルヘル」(もしくはドイツ語「オルゲル」)と説明されたことから、その言葉や意味合いが変化して、music
boxを『オルゴール』と呼ぶようになったといわれます。
※オルガンは宣教師などにより安土桃山時代には伝わっていたそうです。ちなみにオランダ語でオルゴールはスペイルドースといいます。
オルゴールの歴史とメーカー
歴史
オルゴール・自動演奏楽器・蓄音器の歴史のページをご覧ください
メーカー
オルゴール・自動演奏楽器のメーカーのページをご覧ください
高周波オルゴールの紹介
従来より大きな高周波音が出せるようにカスタマイズされた高周波実験用オルゴール。ハイパーソニック・エフェクト(超高周波音=人間の耳に聞こえないほど高い音の効果)による癒しが期待できます。ハイパーソニック・エフェクトの発見者である大橋力氏が日本のメーカーSankyoと開発しました。
7台ほど作られたといわれ、当館で5台所有しています。オルゴール館で所有しているのは当館だけ!
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160弁セラフィウェーブオルゴール縦型
SANKYO
日本(2000年頃)
演奏会に使用(常時)
80弁(80本の歯が並んでいる)の櫛歯を2枚組み合わせた国産ディスクオルゴール。ハイパーソニックエフェクト(超高周波音の効果)の実験用に数台だけ作られた。国産最高級の音色とともに癒し効果が期待できる。
160弁セラフィウェーブオルゴール横型
SANKYO
日本(2000年頃)
演奏会に使用(9:20、11:20、13:20、15:20の演奏会)
80弁の櫛歯を2枚組み合わせた国産ディスクオルゴール。縦型のものよりも後期に作られたといわれ、とても迫力ある音色が楽しめる。演奏中は空気が振動してるようにも感じられる。実際の実験に使われたのは、これと同型。
45弁セラフィウェーブオルゴール
SANKYO
日本(2000年頃)
演奏会に使用(常時)
45弁の国産ディスクオルゴール。初期に開発されたものだと思われる。
シリンダーオルゴールの紹介
約220年前、オルゴールはピン打ちしたシリンダー(金属の筒)を楽譜代わりにして誕生しました。初期は単体で音楽を鳴らすものではなく、時計の付属機能でしたが、次第に独立し、音楽再生機器としての道を歩みはじめました。
現在でも、シリンダー型はオルゴールの主流になっています。繊細で優しい音色が特徴です。
ディスクオルゴールの紹介
約130年前、ドイツのシンフォニオン社が突起付きのディスク(金属の円盤)を楽譜代わりにしたディスクオルゴールを販売しました。ディスクはプレス機による大量生産が可能だったので、オルゴールは多種多様な曲を楽しめるようになりました。また、スターホイールという間接的に櫛歯をはじく装置が開発されたことにより、音量が大きく迫力ある音色が出せるようなり、大型化されてジュークボックスのように使われるようになりました。
アメリカやヨーロッパで多くの人に愛され、オルゴール最盛期を彩った立役者でもあります。
オルゴールの内部
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シリンダーオルゴールの内部
高級なシリンダーオルゴールは演奏時間を増やすため、櫛歯の歯と歯の間にピンの列を増やし、1回転ずつほんの少しだけ移動しながら演奏していきます(最後はバネを使って元の位置に戻る)。大型になると数千~ものピンを打ちこむものもあり、ピン打ちは非常に精密で手間のかかる作業でした。
ディスクオルゴールの内部
ディスクオルゴールの中には櫛歯の歯の数に合わせてスターホイールという部品が並んでいます。このスターホイールがディスクの突起と連動し、歯を弾きます。
オーケストラルオルゴールの内部
オーケストラルオルゴールはオルゴールにベル・ドラム・カスタネットなどの打楽器・オルガン等を加えたものです。
左の写真は分りやすい例として上げました。
左右の短い櫛歯(櫛型の鋼鉄製の歯を並べたもの)でドラムとベルを打ちます。真中の金色の部分でオルガンを演奏します。
オルゴール以前のベル付き時計の内部
オルゴール以前のベル付き時計の中
1695年ごろロンドンで作られた時計です。オルゴールが発明される100年ほど前です。左下にシリンダー(金属の筒にピンを埋め込んだもの。楽譜のかわりです。)が見えます。上に調律されたベルが並んでいます。
オルゴールの楽譜
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シリンダー
オルゴールが作られる以前から、シリンダーは音楽時計やカリオンに使われていました。金属の筒にピンを差込み固定したものです。大きなシリンダーは4曲以上演奏できます。一曲終わると少し横にずれ曲を変えます。
金属ディスク
ディスクが回転すると、裏面に突き出た突起がスターホイル(8個の角が出た星型の回転盤)を8分の1回します。その時に、スターホイルの他の角が櫛歯の先をはじき音を出します。
※ポリフォン社の例
小型回転盤ディスク
懐中時計などに組み込む為、初期に作られたディスク。ディスク上のピンが先の曲がった鋼鉄製の細長い歯先をはじき、音を出します。
厚紙の折りたたみ式
リベリオンと名づけられたオルゴールは、折りたたみ式の穴の開けられた厚紙で演奏しました。
厚紙のディスク
現在、サンキョーで作っています。アメリカでは人気のあるオルゴールで、クリスマス用に毎年違った形で作られています。
紙製シート式
サンキョーなどの手回し式オルガニートに使われています。穴あけパンチで曲を作れます。
※写真の33弁αオルゴールは、譜面が細かくなりすぎて見ながら編曲は難しいので、編曲ソフトを使います
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